sasanoha blog

フリーランスSEの独り言

人生と時間

時間さえあれば何だってできると思っていた。 でも、歳を取ってくると時間がいくらあっても足りないと気付いた。

新しい知識を得れば、更に深い知識に辿り着き、適当なところで諦める。 散らばった知識が点在し、一点に集中した専門的な成果物は出せないでいた。

本当の自分の課題を置き去りにして、社会の一人としての僕の課題が割り込まれていく。

新たな課題を見つけ、少し計画を練って、そして割り込まれた課題によって押しつぶされていく。 僕の稚拙な計画は、輝きを放つことなく忘却されようとしている。 似たようなサービスを見つけては、ショーウィンドウの向こう側にある商品を眺めているような気分になる。

本気で取り組もうとしたら、いつでも取り組むことができた。 時間さえあれば。

人は誰しも自分の課題の消化を最重要としてもいいはずだ。 それができなかった。

幼少の頃は、こんなことを言われて育てられた。 人の言うことを聞きなさい。 人に迷惑をかけないようにしなさい。 いい会社に入りなさい。 あの子のように優秀になりなさい。

そこに僕を中心とした言葉は存在していなかった。 そんなことが祟っているのかもしれない。

自分を中心に生きる。 今思えば、こんな当然な話はない。 あなたが好きなように生きなさいという言葉が欲しかった。

欲しかった物が見つかった。 それを言ってもらう機会はないかもしれないけど、 少しだけ自分を肯定していい理由が見つかった。

僕は弱い自分を知らないふりをしていた。 弱い自分を認めたくなかった。 そして、自分のことがよく分からなくなった。 でも、ようやく弱い自分を認めることで、自分の存在に気付いた。

彼はパズルで遊んでいる。 パズルを取り上げると泣いてしまう。 内向的で飽き性で、気づくと別のパズルで遊んでいる。 そう思うと、一晩中同じパズルで遊んでいることもある。

そして、それを微笑ましそうに眺めている自分がいるのに気付いた。 最近までは、彼とよく喧嘩をしていて、いつも僕が勝っていた。

彼は新しいパズルが欲しいようなので、僕はパズルを持ってくる係になった。 でも、中々構ってあげられなくて、時折、寂しそうに僕に何かを伝えようとしている。 このパズルがどういうものだったか伝えたいみたいだ。

僕はもっと彼のことを知らなければいけない。 時間を作らなければいけない。 自分が自分の時間を予約しなければいけない。

自分の時間は会社のものではない。 そう思うと、僕はフリーランスになった。 〇〇株式会社の僕から、僕になった。

とてもしっくりきている。 決断の時に、会社を重視するか、自分を重視するかで迷わなくなった。

お互いの都合を考慮した取引もできる。

現在は、一緒に仕事をした人のコネで働いている。 自分のやりたいことをやるつもりだったが、 また人の課題を割り込ませてしまったと反省している。

でも、気持ちはいままでと全然違った。 半強制的に選択肢が決められていた会社員時代と、自由な選択をできる今。

選択肢が、自分のコントロール下にあることがとても嬉しい。

長い長いオープニングムービーが終わり、ようやく主人公を操作できるみたいだ。